【学生インタビュー】地域インターンシップに参加して(表現学部2年・清水友翔さん)

連携自治体の北海道石狩市では、平成29年度から道内外の大学生を受け入れる、地場企業活性化に向けたインターンシップ事業を実施しています。

本年度は「就労型インターンシップ」として、学生の夏期休暇にあたる8月に開催されました。農園や果樹園、また道の駅やキャンプ場、海浜浴場などの観光地にて、この期間の担い手不足解消にもつながる就労体験を主体に活動します。

約1か月間の活動を通して、地域の実情や課題を把握し、学生自身の視点や発想で課題解決に向けたプランを提案するというプログラムでした。

学生視点から見た当事業について、本学から参加した清水友翔さん(表現学部表現文化学科2年)にお話を聞きました。

清水友翔さん(表現学部表現文化学科2年)

――今回の石狩市インターンシップに参加した理由を教えてください。

清水 新型コロナウイルスの影響により社会環境が変化したことで、自分の将来について改めて考えるようになりました。

そうした中で、自分は地元である「香川県高松市」への思い入れが強いということに気付いたことが大きなきっかけです。地元の知名度の向上や地域貢献にも興味を持っています。

今回のプログラムでの経験を大学4年間での学びと結び付けることで、将来への明確な指針を新たに定め、そこから「今できること・今すべきこと」を発見できるのではないかと考えました。

――具体的にインターンシップでは、どのようなことに取り組んだのでしょうか。

清水 就労体験としては、果樹園でサクランボやプラムの収穫作業や新梢の剪定、加工した商品のラベル作成などを行いました。

観光関連では海浜プールや道の駅で活動しました。

海浜プールでは、お客様への注意喚起アナウンスや、駐車場・シャワー室の案内をしました。道の駅でフェアの販売員、また蕎麦屋では調理補助も担当するなど、様々な環境で仕事を進める経験をさせていただきました。

厚田海浜プールでのアナウンス

――特に印象に残っているエピソードなどはありましたか。

清水 道の駅で4日間にかけて行われた「友好都市フェア」での販売活動が印象に残っています。

友好都市である石川県輪島市と沖縄県恩納村の特産品を販売したのですが、なんとパイナップルが60個も届いたのです。それを4日間で52個売り上げたことは、実に快挙であったと道の駅の方たちからとても驚かれました。

いかにPRできるかをインターン生が一丸となって考えて取り組んだので、それまでに築いてきたチームワークをより発揮できたと感じるエピソードでした。

「道の駅 石狩」での友好都市フェア

――最後には市の方へ向けて提案を行ったと聞いておりますが、それはどのようなものだったのでしょうか。

清水 最後の報告会では、隣接する浜益区と厚田区のどちらにも滞在させていただいたことから、それぞれに住む人々の個性や地域の雰囲気が全く異なっていたことに着目しました。

石狩市をEUのように異なる文化圏の集合体と考え、異文化圏への移動促進となるような市内循環バスの導入や、市内経済を活性化させるクーポンの活用など、IU(石狩市連合)化計画と称した提案を行いました。

――実際に参加してみて、清水さんご自身には何か変化がありましたでしょうか。

清水 プログラムに参加する前は、「とりあえず行動すればなんとかなる」という考え方で後先考えずに動く人間だったと思います。

インターンシップを通して、実際にお仕事をされている方々と同じように働くことで、最初に順序立てて考えたうえで、効率的に役割をこなすことの重要さを実感しました。

仕事への情熱は忘れずに、一方で一度冷静になって思考し、行動することを心がけるようにもなったように感じています。

毎年8月20日に行われる「灯篭流し」

――そうした変化も含めてですが、今回の経験を今後どのように活かせると思いますか。

清水 30日間という長期間でのインターンでしたが、堅実に一つ一つ小さな目標から達成していけば、最終目標まで辿り着けるのだということに気づくことができました。

今もなおコロナ禍で先行き不安な未来に対しても、また実際に自分が社会に出てからも、焦らず丁寧に物事をクリアしていくことを大切にしていこうと思っています。

また、インターン生との報告会準備の際には、自分の考えを素直に伝えることや相手の意見を一度受け止めることの大切さを改めて実感しました。それらを意識して実践することで、革新的で面白いアイデアに結び付くのだと感じました。

今後もチームで取り組むことがたくさんあると思うので、今回の経験を活かして、チームを望ましい方向へ導く働きができるようにしていきたいと思います。

他大学のインターンシップ生との交流

(清水さんのインターンシップ活動記録はこちらからご覧いただけます)

 

今回のコロナ禍の影響か、本事業への本学からの参加希望者は増加傾向にあります。

1カ月というやや長期間での活動のため、例年希望者は1名いるかいないかでしたが、本年は募集開始から1週間ほどで10名以上の学生から相談がありました。

定員枠の関係で、本学からは清水さん含む2名の参加に留まりましたが、首都圏外の地域における活動に関心が高まっていることを実感しています。

 

大正大学地域構想研究所では、こうした学生達との連携を希望される地域・自治体からのご相談を受け付けております。

ご要望などございましたら、お気軽にご連絡いただければ幸いです。

 

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2021.11.01