プロジェクトの概要
▼背景
▼これまでの活動内容
▼NbS(Nature-based Solutions:自然に根ざした解決策)
背景
大正大学が立地する豊島区は、東京 23 区で唯一の消滅可能性都市とされ、特に子育て世代や女性にとって魅力ある街づくりを行っていくことが喫緊の課題となっている。また、近い将来発生することが予想されている首都直下地震や地球温暖化に伴うゲリラ豪雨やヒートアイランドなど災害に強い街づくりを進めていくことも大きな課題となっている。こうした中、豊島区ではグリーン庁舎の整備や南池袋公園の整備、また、池袋駅東口再開発における歩行者中心の街づくりなど、緑や自然をうまく活用しながら、街の魅力アップを図りつつ、災害に強い街づくりを目指した施策を展開している。このように緑や自然の多機能性をインフラの一部として活かすというアプローチは、「グリーンインフラストラクチャー(グリーンインフラ)」とも呼ばれ、わが国政府においてもこれを推進することが国土利用計画や社会資本整備基本計画の中に盛り込まれている。さらに、海外でもニューヨークや欧州などで、グリーンインフラの考え方による都市整備・インフラ整備が急速に進んでいる。
こうした背景の中、本プロジェクトは、大正大学が豊島区におけるグリーンインフラ研究・普及啓発の拠点となるために、キャンパス屋上へのルーフトップガーデンの整備や、それに関連した各種の研究活動や教育活動を実施していくことを目的としている。大正大学では、これまでも学生、教職員が一体となって、「すがも花街道プロジェクト」を進めてきており、また、連携自治体と協力した「すがもプロジェクト」なども実施している。本研究プロジェクトは、これらの巣鴨商店街をフィールドとした既存のプロジェクトとも連携しつつ実施している。
プロジェクトの全体像
これまでの活動内容
・勉強会を複数回開催し豊島区のグリーンインフラを検討(2016年)
・銀座ミツバチプロジェクトと連携し大正大学キャンパス屋上テラスでさつまいもを栽培(2016年~)
・銀座ミツバチプロジェクトと連携し大正大学キャンパス屋上テラスでさつまいもを栽培(2016年~)
・大正大学グリーンインフラキャンパス構想ワークショップ開催(2017年)
・ニューヨーク屋上農園先進事例視察(2017、2018年)英国の先進事例視察(2019年)
・キャンパス屋上等に農園を整備し、40種類以上の野菜を栽培(2018年~)
・近隣小学生と収穫体験イベントを実施(2018年~)
・収穫した野菜を商店街の「朝市」や「座ガモール」で販売(2018年~)
・屋上テラスでとれたサツマイモを使って大学芋を作り、大学学園祭で販売し、活動をアピール(2018年~)
・水耕栽培・アクアポニックス実験開始(2019年~)
・IoT実験や江戸東京野菜栽培を開始(2020年〜)
グリーンインフラキャンパス構想ワークショップの成果
関連リンク
NbS(Nature-based Solutions:自然に根ざした解決策)
近年、このグリーンインフラやEco-DRR(Ecosystem-based Disaster Risk Reduction:生態系を活用した防災・減災)などの類似するアプローチを包含する概念であるNbS(Nature-based Solutions:自然に根ざした解決策)が急速に国際的に注目を集めるようになってきた。この概念はもともとIUCN(国際自然保護連合)が10年ほど前に作った概念で、2016年にハワイで開催されたIUCNの総会で「社会的な課題に順応性高く効果的に対処し、人間の幸福と生物多様性に恩恵をもたらす、自然あるいは改変された生態系の保護、管理、再生のための行動」と定義されたものである。
2020年には、このNbSを具体的にプロジェクトとして実施していくうえでのガイドラインとなるNbSグローバルスタンダードがIUCNから公表された。大正大学地域構想研究所では、今後研究所内に置かれているIUCN日本リエゾンオフィスと連携して、このNbSに関する国際的な最新情報を順次日本語化して提供することを通じ、日本国内でのグリーンインフラやNbSに関する取り組みを行う関係者をサポートしていきます。
NbS(自然に根ざした解決策)に含まれる様々なアプローチ
関連リンク
NbS(Nature-based Solutions:自然に根ざした社会課題の解決策)の日本語で読める情報や事例を集めたポータルサイトです。IUCN日本リエゾンオフィスと大正大学地域構想研究所によって運営されています。