市民の皆さんにSDGsを身近に感じてもらうパンフレットを制作

著者
大正大学地域構想研究所 地域支局研究員(徳島県阿南市)
鈴江 省吾

これまでの経緯

徳島県阿南市では大正大学との連携協定に基づく地方創生・地域の活性化等に関する研究事業として、「関係人口を核としたシティプロモーションの調査分析」「高校生ミライ会議の開催」等を実施していますが、令和3年度から「SDGsの啓発・推進」が加わりました。既に本メールマガジンでも、「自然の中でSDGsを学ぶSUP&無人島体験」「市民が集うマルシェで出店したSDGsカフェ」などの取組みを紹介させていただきましたが、このほど市民の皆さんにSDGsを身近に感じてもらうためのパンフレットを制作しました。

SDGsパンフレット

タイトルは「SDGsのメガネを通して『いまの阿南』を見る」・・・「anan  SDGs glasses」で、表紙はSUPに乗って河川の清掃活動を続ける地域おこし協力隊員にフォーカスを当てました。川から見る自然の素晴らしさや大切さに気づき、「小さな取組でも続けていきたい。そしてそれが1人でも意識が変わるきっかけになれば」という平瀬さん。

パンフレット表紙(SUPインストラクター 平瀬紗衣 氏)

 

陸から見えない岸辺の草むらには、ペットボトルや空き缶、発泡スチロールなどが大量に隠れています。会費を払ってまで活動に参加してくれる仲間も徐々に増えてきたそうです。

さて、見開いたページは彼女がかけたメガネで見えてきた人たちです。今回は、キャンプを通じてSDGsを「自分ごと」にする人材育成を展開するYMCAの菅田所長、有機農業で未来に責任を果たせる農業を実践するサニーズファームの北條さん、子ども服のリユースコーナーを開設した阿南ファミリーサポートセンターの佐川所長さんなど5人が登場します。

YMCA阿南 国際海洋センター所長 菅田 斉 氏

 

株式会社一生代表、ESPA会員 北條 誠一 氏

 

皆さん、それぞれの持ち場でしっかりとSDGsを実践されており、その輪がさらに広がることが期待されます。

阿南ファミリー・サポート・センター所長 佐川 寿栄美 氏

 

また、SDGsカフェで行った認知度アンケートでもSDGsという言葉を「知っている」50%、「少し知っている」30%と市民の皆さんの意識が高まっていることが示されました。

まとめ

阿南市は2021年3月に「阿南市総合計画〜咲かせよう夢・未来計画2028〜」を策定。計画書の表紙に大正大学生の「SDGs」をモチーフにしたデザインが採用されたように、施策や戦略、方針の策定等にSDGs(持続的な開発目標)との一体的な推進が大きく盛り込まれました。

阿南市総合計画2021▶2028 ~咲かせよう夢・未来計画2028~表紙

 

そしてさらにSDGsを地方創生の原動力とするために、SDGsや環境を理念とした「阿南市版ふるさと納税」を展開し、それらを活用して環境と地域経済が循環する「地域循環共生圏」のビジネスモデルを構築しようとしています。

パンフレットより抜粋

 

その取組みを後押しするためにも、市民をはじめ関係人口の皆さんの理解と協力が不可欠です。引き続き、阿南市と連携しながら大正大学の知見や学生の機動力を活用してSDGsの啓発・推進に取り組んでいきたいと思っています。

 

⇒ anan SDGs glasses パンフレットはこちらからご覧いただけます。

2022.05.16