養老 孟司

  • マンガと日本

    日本がマンガ・アニメ大国になった理由を以前に論じたことがある。その背景を私は音訓読みという特殊な文字の読み方だと考えた。ヴェトナムや朝鮮は漢字を取り入れたが、音…

  • することないか?

    ヒトの作業には二つあると私は思っている。一つは対人で、もう一つは対物である。ほとんどの人が、とくに都市生活では、対人に時間を費やしていると思う。お金になるのは、…

  • 自然な街

    ひとりでに街ができてくるということはあるのだろうか。インドでは工事現場に家族連れの労働者が集まって、アッという間にスラムができる。ということを『シャンタラム』 …

  • きれいな水

    水の問題は現代では過不足であろう。多すぎると洪水、少なすぎると旱魃。 でもそれ以外に大きな問題がある。汚染である。マイクロプラスティックはともかく、水はきわめ…

  • お祭り

    誰にもお祭りの記憶があるのではないか。私は鎌倉生まれ、そのまま鎌倉で育った。大きなお祭りといえば、まず鶴岡八幡宮、秋の例大祭であろう。私が子どもの頃は、素人芝居…

  • 小学校で、何を学ぶか

    小学校で、なにを学ぶか。それは学校の先生に聞くのがいちばんいい。でもたいていの人は、小学校の教科内容なんて、一切気にしていないであろう。 少なくとも私が小…

  • 巡礼

    巡礼という文化は、いつでも、どこでもあるらしい。現代の若者も、パワースポットに行くとか、御朱印を集めるために、神社仏閣や道の駅を訪問するとか、とくに用事はないと…

  • 地域の自然を記録する

    地域の記録というと、人のこと、人のすることを考えるのが普通だと思う。どういう人がいたとか、どういうお祭りがあったとか。つまり広い意味での人事である。 しか…

  • 観光の背景

    観光の振興が叫ばれた折に、亡くなられた渡部昇一さんが言われたことがある。「観光なんて振興する必要はない。わかる人が来てくれれば、それでいいんだ」。 この辺…

  • 日本の手仕事

    長年、手仕事を続けている。私の場合は、昆虫の標本作りである。 八〇歳を超えても、これには飽きることがない。一個体ずつの虫が、毎回挑戦である。肢を伸ばし、触…

顧問・教授・研究員