僕の夏休み「あつたにあった!」

著者
大正大学地域創生学部地域創生学科 2年
木村 壮吾

はじめに、結論から述べようと思う。厚田(石狩市厚田区 以下、厚田と称する)は本当に良いところだから行ってほしい。

正直これに尽きるのだ。1ヶ月間本気で取り組んだインターン(石狩市地域実践型インターンプログラム)だが、1人でも多くの人に厚田を知ってもらい、行きたいと思ってもらわなければいけないと気づいた。これは我々インターン生、市役所の方、地域の方で完結する話ではなく、まだ厚田を知らない人がいないと完結しない。まだ厚田を知らない人に対して、厚田を伝えるのが自分の役目であると思う。

ここから先は、これを読んだ1人でも多くの人に我々がこのインターンで何を学び、何をしてきたのかということを知ってもらい、厚田に行ってみたいと思ってもらえるように、東京生まれ東京育ち19歳男の厚田という地域での1ヶ月のインターン生活の全容と、この地域の魅力を記していく。

8月1日、我々インターン生4人は石狩市役所にて集結し、市役所の方の運転で厚田へと向かった。我々が1ヶ月間過ごす本拠地である。道中、広大で、地球は丸いのだと思い知らされるほどの海を横目にドライブすることが出来る。また反対側には山や牧場といったバラエティ豊かな自然も堪能することが出来る。壮大な海と山に挟まれている景観は人に感動を与えてくれる。私は今でもあの車から初めて見た厚田に感動したことを覚えている。あの感動は他の何にも変えられないだろう。

初日に見た厚田の海

牧場にて

ここからは厚田に着いた後、1ヶ月の生活を介して感じた魅力について記していく。

まずは人々の温かさである。人の優しさにはなにか裏があるかも知れないと疑って東京で生活していたが、底なしに優しい人もいるのだと思い知らされる。厚田の人々には計算高く優しさを出している人はいない。これは、疑い深い私だからこそ気づいた点だ。ただ優しいだけではない。その優しさに1mmの悪意も見返りを求める心もないのだ。是非行って確かめてみてほしい。
もうひとつは立地の良さである。札幌から1時間ほど車を走らせれば行くことの出来る場所に位置し、また道中は前述した通りドライブを堪能することが出来る。実際ツーリングの人気が高くこの生活で多くのバイカーを見た。そして道の駅も構えており、車・バイクを使用する観光客に対してうってつけであると言える。また、夏場は海水浴場も営業しているため海を楽しむことが出来るのも魅力である。港があるため新鮮な魚を朝市などで購入することも出来る。
最後に、やはり景観の良さを強く発信したい。厚田は山と海に囲まれているところに存在している。その景観だけでも良いのだが、朝焼けや星を是非堪能してほしい。本当に感動する。真っ赤に燃える太陽や無数の星と天の川を拝むことが出来る。教えたくはないが、ここまで読んでいただいたお礼に教えたいと思う。おすすめのポイントは「恋人の聖地(厚田展望台)」から見ることである。ここから見る景色について多くは語らない。行ってその目に刻んでほしい。

他にもたくさんの魅力があるが、全て書いていると文字数がオーバーしそうなのでこの3つで我慢しようと思う。

こんなにも魅力あふれる厚田だがやはり課題もあるのだ。ここからは実際に我々が課題であると思った点と魅力発信について提案したことを記していく。

滞在中、たくさんの課題を発見したが、その中でも現実的に解決が可能であると判断した4つのことについて8月28日に行われた活動報告会で発表した。これから先は簡潔にその内容を記していく。

活動報告会

1つ目はこのインターンの開催理由でもあるマルチワークの可能性についてである。毎日人手が足りない現場へお手伝いに行くという職種を限定しない働き方のことである。実際我々は毎日違うところで就労をしていた。その中で、マルチワークの可能性をとても高く感じたため我々が感じたメリットやデメリットを記しマルチワークをどのようにしたら現実可能になるのかということを深掘りし、提案した。

2つ目は観光業の発展についてである。電車が通っておらず、また、現在通っているバスも運行中止になってしまうということなので、車・バイクのみでしか札幌から厚田までの交通手段がない。そのため、車を使っての観光周遊のための仕組み作りに対しての提案をした。宿・食事券・アクティビティなどをお得なセットにして少しでも多くの人に来てもらえるような「厚田思い出きっぷ」の提案をした。

3つ目は東京に帰ってからの計画についてである。このインターンが終わっても何か学生である自分たちに何か出来ること何か無いか考えた。そして東京で厚田産の食材を主に使い料理を提供することを提案した。食を通じて厚田をアピールする取り組みである。実際に11月30日大正大学が所有するガモール堂にて企画が実施されることが決まっている。

4つ目はキャッチコピーについてである。厚田のことを知ってもらうきっかけ作りとしてキャッチコピー制作に励んだ。私たちも今まで知らなかった「厚田」という土地で1か月間生活してみて、魅力的なものや景色がたくさんあることに気づいた。毎日発見が「あった!」という自分たちの経験と訪れる人にも厚田の魅力をたくさん発見してほしいという思いから「あつたにあった!」を設定した。実際に石狩市のふるさと納税のページや、みちの駅のポスターなどに採用されている。

本当はもっとたくさん綴りたいが、文字数的に難しいので、ぜひ石狩市役所のホームページから報告会の資料を見ていただきたい。⇒令和7年度地域実践型インターンプログラム活動報告会資料

このインターンに参加して本当に良かった。厚田という町が少しでも多くの人に知ってもらえたら私は嬉しい。そして実際に行って感動してほしい。私は厚田のことを愛している。

2025.10.15