厚田の魅力による自身の気づき

著者
大正大学表現学部 2年生
野平 虹乃歌

私は、8月の1ヶ月間を通し、石狩市主催の「地域実践型インターンプロジェクト」に参加いたしました。
このプロジェクトに申し込んだ理由としては、大きく分けて2つあります。
1つ目の理由は、北海道での暮らしに興味があったからです。興味を持った理由は、私の将来の理想図にあります。将来私はある程度の田舎で夢を広げていきたいという理想があります。その場所として、四季がはっきり感じられ、広大な空間がある場所を考えたとき、北海道が浮かびました。そのため、北海道での暮らしを体験できるという点が理由の1つです。
2つ目の理由は、まちづくりに興味があったからです。以前、アートを活用したまちづくりに触れ、人間が生きる上で重要なまちづくりの面白さを感じました。生まれてからここまで成長するまでに、私はずっと街と共に生活をしてきました。その中で、いろいろな街の変化が生まれ、昔よりも便利になった反面、過ごし辛くなった場面もありました。そんな、身近な問題であるからこそ、私はそのことに目を向け、真剣に考える必要があると考えています。また、アート以外のものを活用して街を活性化させる方法を考えたいと思い、応募させて頂きました。

これらの理由を踏まえ、実際にインターンに参加させて頂き、貴重な経験を得ることができたと考えます。具体的な活動内容は、主に就労体験や日常を過ごす経験、取材を通し、人手不足解消に向けた提案をするという内容でした。
まず、就労体験では、海やキャンプ場、道の駅での就労を行い、沢山のお客さんや従業員の方とお話しする機会がありました。特に従業員の方とはお話しする機会が多く、厚田が栄えていた頃のお話を聞くことができ、そんな素敵な場所を守りたいと強く思いました。また、繁忙期の人手不足については、リゾートバイトの方々で補っている様子が見られ、現状を把握する上でも重要な経験だったと感じています。

キャンプ場での案内の様子

次に、実際に北海道の厚田での生活を通し、外側からでは分からない内面に触れることができたと感じます。それは、厚田の人のあたたかさです。インターンに行く前までは、地域の方との交流はあまりなく、交流できたとしてもそこまで仲良くはさせてもらえないのではないかと考えていました。しかし、実際に生活してみると地域の方々とたくさんお話しすることができ、皆さんのあたたかい心に何度も救われました。普通の日常を送っているだけなのに、地域の皆さんがいるお陰で、毎日が楽しく輝きのあるものとなりました。

最後に取材については、従業員の人手不足問題を解消するために行っていることなど、より詳しい現状を知ることができました。そして、厚田区の課題点も挙げられました。それは、土日と祝日に出勤できる人が少ないという点や、若い人材がいない点、継続的に入ってくれる人材がいないという点です。

取材の様子

これらの課題点を通し、私たちインターン生が提案した案は大きく分けて3つあります。
1つ目は「厚田マルチワーク」の提案です。「厚田マルチワーク」とは、厚田マルチワーク協同組合という厚田区内の1次〜2次産業の有志事業者で結成された組合を通し、道内外の学生を人手が欲しい事業者へ派遣するというものです。長期休みは外で過ごしたいが旅行している間も収入が欲しいという学生の想いに寄り添った案により、効率的に人材を確保できると考えます。
2つ目の提案は、廃校をリノベーションするというものです。これは、厚田マルチワークで働きにくる人や観光客の宿泊施設が少ないという問題を解決するため、様々な活用方法がある廃校をリノベーションしようという提案です。具体的な運営方法は、事業者に教室を貸出し、各企業が教室を改修していくという方法です。この提案により、地域の象徴を活気づけることができ、地域の活性化につながると考えます。
3つ目の提案は、石狩市職員の副業解禁です。これは、実際に職員の方のお話を聞いて、副業を許可することで地域の人手不足の緩和につながるのではないかと考えます。
他にも、石狩市活性化観光プランなどの提案も挙げ、報告会では取材などで協力して下さった方々の前でお話しさせて頂きました。

提案の様子

このインターンを通して、私は人と人とのつながりの大切さを感じました。私たちインターン生も、初めましての状態から始まりましたが、お互いがコミュニケーションを大切にすることで、良い関係を築くことができました。そして、地域の方々とも、お互いがお互いに目を向けなければ、実ることはなかった関係です。このような関係により、インターンが有意義なものになった事は確かです。そのため、人と人との繋がりを大切にするため、今後も周りに目を向け積極的に関係を広げていきたいです。また、課題を解決する上での自分の知識のなさを痛感した機会でもありました。そのため、今後はもっと沢山の知識を積極的に身につけていきたいと考えます。

2024.10.01