大正大学地域構想研究所阿南支局では、阿南市と大正大学の連携協定に基づく研究事業「あなん未来会議」事務局として様々な活動を行なっています。あなん未来会議は各分野の専門家で構成された中長期的な人材育成を推進する市独自の施策で平成27年にスタートしました。
その一つとして、昨年11月23日、第2回目となる「高校生ミライ会議」が阿南市役所で開催されました。
集まったのは市内5校の高校生17名、先輩ゲスト4名、未来会議委員3名らで、ファシリテーターは大正大学地域構想研究所専任講師の山中昌幸先生が務めました。
今回のテーマは「阿南のミライ×自分のミライ」。Uターンして地元で働いている先輩や他校の生徒とのグループ討議を通して、住みたい町の理想像と自分の将来を重ね合わせてキャリアビジョンを絵に描こうというものです。
阿南のミライ×自分のミライ
最初に未来会議の床桜座長から「高校生が知っておきたいプロジェクト」と題して、民泊と避難所が連動する「シームレス民泊」や「壁画再生」など、住民主体の取り組みが紹介され、まずは行動することが大事だとのメッセージがありました。
次に、先輩4人がUターンしてきた理由や現在の仕事や生活、そして将来の夢を語ります。「フランスで修業して地元でレストランを開業した」「地元企業で信頼される技術者になって好きな釣りを思いっきり楽しみたい」「青年海外協力隊での経験を糧に、地元で地域医療に携わりながら阿南の自然を満喫したい」「東京でのIT企業から地元企業に再就職、子供にかっこいいと言われるエンジニアになりたい」。高校生たちは年も近い先輩たちの話を食い入るように聴いていました。また、地元富岡西高校出身で本大学地域創生学部1年の中野さんも実習や学生生活の様子を後輩たちに語りかけました。
アイスブレイクのあと、先輩を軸に4つのグループに別れて、自分の夢や町を活性化させるアイデアを話合います。書道パフォーマンスで高齢者を元気にしたい、海外に出て視野を広げたいなど、いろんな意見が出て、全体で共有しました。そのあと、スケッチブックに「阿南をこういう未来にしたい」「自分はこんなことをしてみたい」二つのイメージを重ね合わせた絵を描きます。「阿南の自然を残したい!」、「農学部に進んで将来は農業の活性化をしたい!」、「VRを活用して買い物や旅行気分を体験できるようにしたい!」、「AIで光のイルミネーションのライブをしたい!」など様々な絵が登場し、会場を沸かせました。
振り返りでは、「皆んなの話を聴いてすごく視野が広がった」「将来を考えるきっかけになった」「すごくいい時間だった」(高校生)「今日は高校生に若い力をもらった」「みんな将来を考えているのにビックリ(先輩ゲスト)、「まずはやってみること、実行力が大切」「今日の出会いが仲間につながれば大きな力に」「馬鹿なことと言われたらチャンスかも」(未来会議委員)最後に山中先生が「高校生の皆さんの純粋な気持ちが聞けて私も嬉しかった。一緒に阿南そして自分自身の未来のためにチャレンジして行きましょう」と締めくくりました。終了後のアンケートでも、「先輩の話が聞けて本当によかった」、「将来を具体的に考えられた」、「このような機会を増やしてほしい」など前向きな意見が多く、参加者17名の未来、そして彼らがつくる阿南のミライが楽しみです。