山形県最上支局
金田綾子
4月から最上町の地域おこし協力隊に着任した張申豪さんを紹介いたします。
台湾宜蘭県出身の東呉大学日本学科を卒業した26歳です。中国語と日本語が話せますので、中華圏と最上町の架け橋となりやがては最上町の宝になってくれる事を期待しています。
地域おこし協力隊着任のきっかけは?
2018年8月、最上町のもがみ国際交流協会と台湾の宜蘭県宜蘭市との国際交流の際に、初めて町内へ訪れました。国際交流では、 宜蘭県 宜蘭市の光復小学校と最上町の大堀小学校が交流学習をする際の、事前に下見に訪れた時の通訳として参加させてもらいました。その後、最上町長ともがみ国際交流協会会長が宜蘭県に訪れた時にも現地で通訳していました。その際に町長より地域おこし協力隊という制度を初めてお聞きし、協力隊についてずっと興味を持っていました。
両小学校の交流学習後の翌年6月に、畑仕事(主にアスパラガス狩り)の体験やホームステイといった、民間の旅行会社による手配が難しいような最上町での遊学ツアーを台湾の日本語学校に通っている生徒を対象に考案し、参加者を募集しました。1週間の遊学ツアーで最上町での生活を体験した生徒からは、「これまで何度も日本へ旅行に行ったが、地元に住んでいる方と、こんなにも親密に触れ合うことができたツアーは初めてで大満足!」と感想をいただき、自分自身も非常にやりがいを感じました。
このように最上町での活動を通じて、もっと多くの人に町のことを知ってもらい、これから旅行に来る台湾人などにも最上町の生活を体験してもらい、町民との親密な交流をして欲しいと思うようになり、今年の4月より地域おこし協力隊に着任しました。
今 最上町でどんなことをしていますか?
1.最上町の大堀小学校と台湾の光復小学校が、今後も引き続き交流学習をする際に言語の面で協力することだけでなく、他の中学校、高校などにも台湾の学校と交流を呼びかけ、新しく姉妹校として連携することで、生徒たちの国際視野を広げていきたいと考えています。
2.バイオマスエネルギーなど、最上町の各分野の産業を理解し、台湾の事業者と相互に連携ができないかを検討しています。これにより同じ分野の企業や団体を誘致し、交流などを呼びかけていきます。
3.旅行客が訪れる観光地や宿泊施設などのチラシを中国語に翻訳しています。また、日本語が分からない中華圏の観光客が最上町へ気軽に旅行できるよう、最上町のGoogle マップを中国語で更新しています。
4.最上町の文化や歴史を知るために各種イベントへ参加し、体験した感想などをFACEBOOKやINSTAGRAMなどのSNSを通じて外国人の目線や角度で台湾に発信して、積極的に PRしています。
他にも最上町と台湾宜蘭市との国際交流・インバウンドの推進や町の子供達への台湾文化の紹介など、国際文化への興味を促す取り組みも予定しています。
座・ガモールで研修した感想
店舗の業務に関して、在庫管理や棚卸しなどのほか、商品の紹介を含む接客業務も担当していました。これを通して、販売という1つのことをうまく進めるためには、店舗のチーム内での協力が不可欠だと知りました。またこの3ヶ月間の研修では、私にとって特に印象に残っている2つの苦労がありました。しかしこれらの苦労は、これから協力隊として活動する上での大切な経験になりました。
1つ目は、ある程度日本語を話せる外国人にとっても課題となるであろう、敬語の使い方です。最初はお客様に間違った敬語を使ってしまう事を恐れ、先輩が話している言葉をそのまま暗記して接客していましたが、回数を重ねて様々な場面でお客様との接し方を知っていくことで、やがては自分の言葉を用いた接客ができるようになりました。この経験から、定型での接客法を暗記するのではなく、状況に応じて臨機応変に対応することの大切さを学びました。今後も様々な人の意見を聞きながら、柔軟な思考で国際交流を進めていきたいと思います。
もう1つ苦労したのは、どのようにしてお客様にアンテナショップの商品紹介をするかということです。せっかくの魅力的な特産品などでも、自分は料理が殆どできないため、他の人のように調理方法まで詳しく紹介し、商品の良さを伝えることができませんでした。しかし、何度も来て下さる常連のお客様は、商品を詳しく認識し、自分の欲しいものを購入していると知りました。そしてコロナ禍ではありますが幸いな事に、今年2月にアンテナショップの開店3周年のフェアが開催されることとなり、自分もこれに参加する事ができました。多くの人が来店する今回のフェアを通じて、お客様に積極的に商品をPRするだけでなく、新しい商品も知ってもらう事ができたと思っています。この経験から、これから最上町地域おこし協力隊として日本と台湾の交流に携わる際には、日台両方の交流背景も詳しく理解しておく必要があることを学習しました。
座・ガモールでのこれらの経験から、今後の地域おこし協力隊の活動では、最上町の歴史、文化、産業など正しく理解して、臨機応変に台湾との国際交流を推進したいと思います。そして最上町の魅力を積極的にPRしながら、多くの観光客に喜んでもらい、リピーターとなってもらえるように活動していきたいと思います。