小学生わくわく企画「SUP&無人島体験ツアー」

著者
大正大学地域構想研究所 地域支局研究員(徳島県阿南市)
鈴江 省吾

このほど徳島県阿南市で、小学生がSUPや無人島探検を楽しみながら自然環境の大切さを学ぶイベントが開催されました。主催したのは、阿南の自然を生かしたアクティビティで関係人口を呼び込もうと設立された一般社団法人グランフィットネス阿南観光協会(事務局:大正大学地域創生ソリューションパートナー(株)すだっち阿南)で、国立青少年教育振興機構「子どもゆめ基金助成活動」として実施しました。

ビーチクリーン&SUP体験

会場は室戸阿南海岸国定公園の起点とも言える那賀川河口の淡島海岸で、7/249/42日間で延べ21人の小学生が参加しました。最初にビーチクリーン活動としてペットボトルなどの漂着物を拾い集めました。

次に人気上昇中のSUPにチャレンジ。最初は恐る恐るボードにしがみついていた子どもたちでしたが、インストラクターの指導ですぐさまスタンドアップして漕げるようになり、滑るように波間を進みます。海と一体になれるSUPが大好きになったようです。
(阿南市では気軽にSUP体験ができます。)

無人島「青島」へ

淡島海岸沖合の島々は「福村磯」と呼ばれ、チヌ釣りのメッカとして有名です。今回は渡船業を営む原田さんの船で一番沖に浮かぶ「青島」を目指します。初めて乗る漁船のスピードに歓声をあげながら、スリル満点の桟橋を渡って上陸。

小さなビーチでお弁当(エコ容器に入った市内のハンバーグ店特製のオーガニック料理)を食べて、まずは磯遊び。箱メガネを手に水中を覗き込み、「魚がいる・・」と大はしゃぎです。

2回目の9/4は貝類研究者である「大田直友」先生(阿南工業高等専門学校)に同行していただき、磯に張り付いたフジツボやイソギンチャクの名前や特徴を教えてもらいました。特に、堤防も何もない無人島だからこそ判別できる「海と陸の生き物が住む境界線」や「岩肌の変化でわかる地層の成り立ち」の話には子どもたちも興味津々でした。また、急斜面を登って青島のシンボルである灯台にたどり着き、海路を見守るその役目を学びました。

SDGsって知ってる?

港へ帰ったら最後は松林をバックにSDGsの勉強会です。講師は市内で生物多様性戦略やSDGsの推進に取り組む「坂本真理子」さんで、お馴染みの17のアイコンが並んだSDGsパネルを手に「持続可能な開発目標」の事例を順次説明していきます。

 

「海の豊かさを守ろう」では「マイクロプラスティックの連鎖」「温暖化で海藻がなくなって魚もどんどん減っている。お寿司が食べられなくなるかも・・・」など、写真やグラフでわかりやすく語りかけました。子どもたちは海亀のお腹から出てきたビニール袋に驚き、地球や自分たちの未来のためにどうするべきか真剣に考えていたようです。

 

まとめ

今回、コロナ禍で思い切って遊べない子どもたちに、感染対策に留意しながら阿南の海の豊かさを体感してもらうことができました。(一社)グランフィットネス阿南観光協会では阿南市や市内事業者とタイアップして海や川の清掃活動も行っています。今後も環境負荷を考慮した公共交通や自転車を活用したエコツーリズムを柱に、また世界で注目されつつあるアドベンチャーツーリズムなどの要素も取り入れて関係人口の創出拡大を目指します。そして子どもたちが誇りを持てる阿南市にしていくことが関係者一同の願いです。どうかご注目ください。

 

2021.09.15