これまでの経緯
大正大学地域創生学部では2016年から阿南市で地域実習を行っており、市役所や地元の人たちと連携して様々な活動を展開してきました。その一例として、1期生が拠点としていた新野町の人たちを紹介する冊子「新野人」を制作したのを皮切りに、2期生は続編「新野人Vol.2」、4期生は高校生に地元企業の魅力を伝える「ミライ企業冊子」など、地域での交流を記録に残してきました。
発刊した冊子の数々
新型コロナウィルスの感染拡大で、この2年間は現地実習はできませんでしたが、2021年度は3月に1・2・3年生42人が、オンラインで「イチゴハウスや竹林からのライブ中継」「現地講師によるセミナー」「ビジネスプランの発表」など多彩なプログラムに挑戦しました。
地域実習報告会(オンライン)の様子
その中でも「現地の人に直接インタビューして、記事を書き、冊子にまとめる」という企画は、学生たちも初めての経験で苦心しましたが、多くの皆様のご協力をいただき、21人を紹介する冊子「阿南人」を発行することができました。
「阿南人」表紙
インタビュー
事前学習として、徳島でタウン誌の編集者でもあった飛田久美子さんから、インタビューで相手から情報やエピソードを聞き出すコツを学んだ上で、農業、子育て、環境、地域おこし、起業・・・さまざまな分野で活動する人たちをピックアップ。相手の基本情報を調査した上で、アポ取り、聞き役、メモ係など、役割分担して取材に臨みました。どのチームも最初は緊張気味でしたが、受け手の皆さんが積極的に発言してくれたおかげで、楽しくインタビューができたようです。
ZOOMを使ったインタビューの様子
記事作成
ここからが大変です。タイトル30文字、プロフィール150文字、本文400文字にまとめなければなりません。「たくさん聞いた話の中で、読者に一番伝えたいことは何なのか?」自問自答しながらチームで話し合い、徐々に仕上げていきました。そして、話の内容をイメージできる写真をメール等で送ってもらいます。実は、この写真データが印刷に必要な容量を満たさず、何回もやり取りをする場面もありました。文字数や写真、レイアウト、校正作業など、これから印刷物を作る上で欠かせない大事なポイントを学ぶことができたようです。
完成した「阿南人」誌面
編集後記
今回、学生全員に編集後記を書いてもらいました。「インタビューで現地の人しか分からない魅力を肌で感じることができた」「阿南の魅力を知ってもらいたいという熱い思いが画面越しに伝わってきた」「限られた文字数で伝えるのが大変だった」「次は阿南に行って対面でインタビューしたい」・・・130文字に凝縮された42人の感想をぜひお読みください。
まとめ
今回、実習生全員に行った個別ヒアリングでは、「阿南人」のインタビュー体験がとても良かったという意見が一番多くあげられました。オンラインであっても、地元の人と1対1で話をすることで、阿南の人の暖かさや熱意などが伝わったようです。取材を受けてくれた人からも「若い学生の真摯な態度に好感が持てた」「自分や阿南のことに興味を示してくれて嬉しい」との声をいただきました。
この「阿南人」は、市役所や図書館、学校、観光案内所などにも配布し、地元徳島新聞でも取り上げていただいたこともあって、「ぜひ読んでみたいので欲しい」という問い合わせが今も支局にあります。
どのインタビューでも、最後の合言葉は「次回はぜひリアルにお会いしましょう!」でした。地域創生学部の学生が阿南に来て「阿南人」の皆さんに会える日が待ち遠しいです。
なお、「阿南人」は「四国の右下」若者創生協議会の令和3年度「県南地域づくりキャンパス」事業を活用いたしました。このキャンパス事業は徳島県南部総合県民局と管内1市4町が連携し、徳島県南部圏域における交流人口の拡大や若者の発想、大学の専門的知見を生かした地域課題の解決を目的として、大学生によるフィールドワーク等を行なっています。