最新レポート Vol.2

著者
大正大学地域構想研究所 教授
北條規

昨秋に連携⾃治体に公募案内を出した「2020年度の共同商品開発プロジェクト」。 7⽉27⽇にようやく第⼀回⽬の共同商品開発プロジェクト協議会を開催することができた。本来なら3⽉に開催し、専⾨家の意⾒をいただきながら開発に着⼿する予定だったが、コロナ感染拡⼤の影響で延期を余儀なくされてきた。期間の制約もあることから参加事業者や⾃治体の協⼒もいただき、zoom会議などを通して協議会開催の前に事前資料作成や事業者が有する競合品との差別化や競争優位性や、開発商品に活かせる技術や素材など付加価値の洗い出しなどを前倒しで進めてきた。このため、協議会ではより具体的な開発商品の意⾒やブラッシュアップのアドバイスをいただくことができた。

当⽇は下記の協議会の専⾨家の皆様にお集まりいただき、地域構想研究所のプロジェク トメンバーから5⾃治体の開発商品の概要を説明したのち、商品ごとに貴重なご意⾒をいただいた。協議会メンバーをご紹介する。

協議会メンバー

■有馬 毅 氏
東京駅の新丸ビルに「⽇本のご馳⾛えん」という⾷品のセレクトショップを経営する㈱ビーワイオー営業本部 HMR事業部 グロッサリーgroup マネージャー。今回の開発商品を店舗で扱っていただくことから、ニーズや最近のトレンド、価格や量⽬など消費者視点で貴重な意⾒をいただいた。店舗の陳列環境によるパッケージデザインなども興味深かった。

■田中陽子 氏
⽣協関係の新聞「コープニュース」を発⾏する㈱コープニュース代表取締役。安全安⼼の⽣協向けに⾷品の情報を新聞で紹介しており、全国の⽣産者、⾷品メーカーに取材に⾏った中での貴重な情報や健康と⾷の知⾒をお持ちだ。⾷品添加物、製法、成分、使われている⾷材など安全・安⼼の視点でアドバイスいただいた。付加価値の着眼点を開発に活かせそう。

■土居輝彦 氏
㈱ワールドフォトプレスが発⾏する雑誌「モノマガジン」の編集局⻑。プロダクトから⾷、ライフスタイル、⽂化、デザインなど様々な分野の新商品情報を取り上げていることから、類似品との差別化のポイントやパッケージデザイン、開発商品の魅⼒づくりと伝え⽅、メディアプロモーションなど具体的にアドバイスいただいた。

■籾山 朋輝 氏
⼀般社団法⼈ 全国スーパーマーケット協会 シニアディレクター。全国の量販店が加盟 している団体で多くの売り場の事例や商品情報をお持ちだ。ディスプレー、売り場や消費者ニーズなどを常に敏感にキャッチされていることから、どんな売り場でどうしたら売れるかなど具体的な事例も交えてアドバイスいただいた。

■橋本 加名子 氏
料理研究家、栄養⼠、フードコーディネーター、飲⾷プロデューサーなどで活躍。ジャンルにとらわれない家庭料理を雑誌、書籍、Webなどで取り上げられている。⾷品会社の商品開発も⼿掛けており、商品を開発する際の料理や⾷という視点からのアプローチは説得力があった。

各協議会メンバーからいただいた改善点、消費者の⼼を動かすポイントなど多くの貴重 な意⾒やアドバイスは開発している各事業者、市役所にフィードバックして今後の商品開発プロセスの中に活かしてもらうようにした。今年度の開発商品ラインナップをみると出汁、和紅茶、雑穀⽶、バーブティー、お⼿⼊れ⽤品に共通しているのが安全・安⼼・健康・⾃然・天然・国産・環境などである。⾷の分野ではこういった意識を持った消費者が増えており、今回の開発商品に使われる素材や成分に関してもきめ細かさが求められている。

現在、下記の商品開発に着手している

水谷商店(連携自治体:静岡県静岡市)
開発予定商品:地域産品を活用した乾物、出汁商品

TEA SEVEN協同組合(連携自治体:静岡県藤枝市)
開発予定商品:無農薬・有機栽培の国産紅茶製品

株式会社コダマ(連携自治体:宮崎県日向市)
開発予定商品:新たなブレンドによる雑穀米

チーム和泉侃(連携自治体:兵庫県淡路市)
開発予定商品:淡路島のハーブ生産者ら連携したハーブティー

赤田刷毛工業株式会社(連携自治体:岐阜県中津川市)
開発予定商品:鉄のフライパン専用お手入れブラシ

今後は各事業者にプロジェクトメンバーがお邪魔して、開発商品の製造現場の取材、価格やデザインの打ち合わせなどを行う予定である。

2020.09.15