大正大学地域構想研究所では、平成28年度より長野県箕輪町と豊島区との交流推進プロジェクトチームに参加し、相互の地方創生の課題解決に向けた取り組みに参画してまいりました。昨年平成30年度は、その最終年度という位置づけで「箕輪町・豊島区交流推進」に関する調査研究事業を受託し、実施しました。このたび、その成果をまとめた報告書が完成しました。
受託に当たっては、地域創生をめぐる最近の国、地方の動きを念頭に置き、また当研究所の研究蓄積及び特性を活かしながら調査研究を実施しました。とりわけ、箕輪町において次年度に予定される次期総合戦略策定を視野に入れ、施策の実施状況の検証と次期総合戦略策定に資する内容となるよう配慮したところであります。
報告書では、「箕輪町・豊島区交流推進事業」等を通じて箕輪町が取り組む情報発信活動について、その成果評価として箕輪町の認知度が東京都内でどの程度高まったかを把握したものです。
言うまでもなく、地域をいかに知ってもらうか、情報発信は地域創生の出発点であり、施策の実効性に直結する営みです。大都市圏等に向いた人の流れを地方に向けると言っても、そこには様々な態様がります。地域の物産品の購入、ビジネス・観光で訪れる、ふるさと納税で地方に貢献する、年間数度、あるいは週末ごとに過ごす、二拠点居住、そして究極の形として、移住定住があります。最近では、こうした「観光以上移住未満」という地域のかかわり方を、「関係人口」と称し、注目する動きもあります。いずれにしろ、各地域では、こうしたシーンを想定しながら、各般の施策が講じられていますが、その前提として情報発信が重要であることは論を待たないでしょう。
報告書では、こうした情報発信の重要性に関する基本認識に立って、豊島区とそれ以外の地域の間での認知度の差異に着目し検証を行いました。その結果の詳細は本文に譲りますが、豊島区での認知度の高さが確認され、また情報入手経路や想起イメージに関しても豊島区ならではの特性が認められました。「箕輪町・豊島区交流推進事業」が、箕輪町の情報発信において一定の成果を上げていることが確認された調査となっています。
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