紀要「地域構想」の創刊0号を発刊しました

「地域構想」の創刊0号 ─はじめに─より抜粋

このたび、大正大学地域構想研究所(以下、地構研)の紀要「地域構想」の創刊0号を発刊いたしました。

地構研が社会や地域に開かれた存在であり続けるためには、地域の新鮮な情報を発信し続けることが使命である。そのひとつの試みが「地域人」の刊行である。この月刊誌は、一般書店でも販売され、総合情報誌としてこの9月には創刊3周年を迎え、通巻37号を数える。「地域人」の基幹となる連載コラム執筆陣の多くは「地構研」に所属する、研究者、識者、実践家たちである。また、特集をはじめ、各地の地域情報は本誌編集部の独自企画・直接取材によるものである。地域構想は学問知と実践の集積による行動のための学であり、「地域人」そのものが「地構研」の日々の活動を表現するものであり、地構研ならではの新メディアなのである。

一方、大学の付置研究所である地構研としては、独自の研究紀要の発刊が学内外から求められるようになってきた。それは研究所の社会的責任でもある。そこでこの度、「地域構想」というタイトルの研究所紀要を発刊することにした。前述のように、この紀要は「地構研」の研究活動の方針に基づき学術研究の他に、研究ノート、事例報告のパートを加えた3部構成とした。さらに、研究所所属の研究者の他に、地構研と連携する自治体や公的団体組織、企業からの寄稿も交えた、多様な構成となっている。紀要「地域構想」は、「地域創生のための総合学術誌」として定着させていきたいと考えている。

創刊号(平成29年度版)は、企画及び執筆依頼が遅れたため、執筆者の方々にご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げ、本号を創刊0号として発行することを寛怒いただきたい。平成31年3月には、“ 面目躍如 ” と言える創刊第1号をお届けしたい。

地域構想研究所 副所長 柏木正博

▽紀要「地域構想」 0号 [全文(112P)ダウンロード/PDF/11.6MB]

▽目次

はじめに
地域構想研究所 副所長  柏木正博    1
 【論文】
市町村による地方移住促進策についての一考察― 都市企業勤務者の地方移住の意向を踏まえて ―
大正大学地域構想研究所教授  塚崎 裕子   3

 

中国における地域観光の展開過程― 安徽省黄山市を事例に ―
 大正大学地域構想研究所研究員  李 崗   17

 

【研究ノート】
長期雇用システムと生涯現役の働き方
大正大学地域構想研究所 特命教授 金子 順一   27

 

都市型コミュニティにおける地域課題とその対応― 援助希求の発見に寄与する FBO の活動 ―
大正大学 地域構想研究所 助教 髙瀨 顕功   37

 

柏たなか駅周辺のまちづくりにおけるコミュニティカフェが果たした役割
大正大学 地域構想研究所 助教 中島 敏博   47

 

「地域猫」と地域創生 ― 人間と猫が共生する地域社会を目指して―
大正大学 地域構想研究所 助教 瀧本 往人 57

 

高校生の地域活動が地元就職に及ぼしうる好影響 ― 岐阜県飛騨市における企業等への調査から ―
大正大学 地域構想研究所 教授 浦崎 太郎   67

 

シティプロモーションの変遷と新潮流― 「関係人口」の考察と自治体の役割 ―
大正大学 地域構想研究所 主任研究員 中島 ゆき   77

 

【調査・事例研究】
豊島区における被災者生活再建支援の取り組み
豊島区役所 区民部長 佐藤 和彦   87

 

地域金融機関の地方創生活動への取り組み ― 第一勧業信用組合における2年間の活動 ―
第一勧業信用組合 経営企画担当理事  伊藤 謙治   97

2018.06.28