地域別将来人口

著者
大正大学地域構想研究所所長
清成忠男

人口減少の継続

去る4月、「日本の世帯数の将来推計」が国立社会保障・人口問題研究所(社人研)によって公表された。

昨年3月に公表された「日本の地域別将来推計人口」と併せ、推計結果の特徴を示すと、次のとおりである。

・2045年までに東京都を除く全道府県で総人口が減少

・65歳人口は大都市圏と沖縄県で大幅に増加

・2045年に65歳人口の割合は全国36.8%、最大は秋田県の50.1%、最小は東京の30.7%

・2040年の75歳以上の単身者世帯は500万人超

・75歳以上の世帯が全体の4分の1

以上のように、2045年に向けて、都市と地方にかかわらず世帯の単身化と高齢化が進む。世帯主が65歳以上の高齢世帯の40%が一人暮らしである。すべての都道府県で高齢世帯の割合は35%を超える。

このような超高齢化社会においては、高齢者の生活を支える仕組みの再構築が急務である。
しかも、高齢化率は地方によって大きく異なる。問題は、これまで人口減少が著しく高齢化率が高かった地域である。そうした地域を市町村レベルで見ると、切り口を変えた対応策が不可欠になる。

秋田の人口と高齢化率

こうした状況を具体的に見てみよう。
全世帯に占める高齢世帯の比率が最も高い秋田県は、一貫して全国最大レベルの水準にある。2015年には人口の高齢化率は33.8%であったのが2045年には50.1%に上昇している。
さらに、75歳以上人口の割合においても2015年の18.4%から2045年には31.09%と全国最大の水準にある。ちなみに、最低は東京都の16.7%である。

県内に眼を転ずると、25市町村のすべてが著しい人口減少を示している。とりわけ13市町村は人口が2045年にはほぼ半減という状況にある。また、22市町村が県平均の減少率を上回る減少率である。

特に、注目すべきは、小坂町、上小阿仁村、藤里町である。これらの町村では65歳以上人口の比率が2015年において40%を超えている。それが、2045年には60%程度に達する見込みである。かつ、75歳以上人口も2015年に対して65%以下の水準に減少する見込みである。

こうした状況では、担い手の活力が低下し、経済的に自立することは全く不可能と言わざるを得ない。

「限界集落」から「限界市町村」へ

1990年に「限界集落」が話題になった。

人口の過半を65歳以上の高齢者が占める集落が「限界集落」である。「限界集落」においては、経済活動が低迷し、もはや自立が困難になっている。

こうした現象が現在では集落から市町村レベルに広がっている。まさに、「限界市町村」が数多く発生しているのである。

「限界市町村」においては経済困難のみならず社会保障の負担が重くなる。新たに解決しなければならない問題の解決のために財政的負担が拡大し、将来の見通しも困難になっている。

「限界市町村」の増加は、国全体の存続に大きな影響を与えている。国全体の活力低下につながる。こうした状況に対応するためには地方創生政策の見直しが不可欠である。地方創生に当たってはヴィジョンが必要である。

その際、地域をコンパクト化し、そこに資源を集中し、投資することが有効である。

2019.06.17